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Alec Leach (@future__dust) Think about the Future Fashion
サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える

サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える
時を超えて持ち続けられる服、一期一会のTシャツ、ヴィンテージウォッチの価値、時間が生み出すアートなど過去から現在へと続く時間のタームの中で考えを深めてきたが、ここからは未来に目を向けてみたい。革新的な技術が次々と発明され、どんどん便利になっていく世の中で、我々のファッションはどのように変わっていくのか、いや変わっていくべきなのか。そしてその中で抱える問題とは何なのか。識者2名に話を聞いた。キーワードは“サステナビリティ”と“テクノロジー”。資本主義的な大量消費の時代を経て、自己を主張するためのファッションにおいても、環境を含めた我々のライフスタイルをしっかり考える時が来ている。

Alec Leach (@future__dust) Think about the Future Fashion
サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える

サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える
時を超えて持ち続けられる服、一期一会のTシャツ、ヴィンテージウォッチの価値、時間が生み出すアートなど過去から現在へと続く時間のタームの中で考えを深めてきたが、ここからは未来に目を向けてみたい。革新的な技術が次々と発明され、どんどん便利になっていく世の中で、我々のファッションはどのように変わっていくのか、いや変わっていくべきなのか。そしてその中で抱える問題とは何なのか。識者2名に話を聞いた。キーワードは“サステナビリティ”と“テクノロジー”。資本主義的な大量消費の時代を経て、自己を主張するためのファッションにおいても、環境を含めた我々のライフスタイルをしっかり考える時が来ている。

ファッションの未来への鍵は紡がれてきた過去にある
アレック・リーチ

環境に害を与えないライフスタイルが重視され、ファッション業界はその問題に意識を強めている。ラグジュアリーハウスは有害物質を徐々に廃止し始め、様々なブランドが持続可能な運営方法を日々模索中。こうしたファッション業界の現状を一つのインスタグラムアカウントから発信しているのがアレック・リーチだ。Highsnobietyで5年間働いた後、サステナビリティコンサルタントとしてフリーランスのキャリアを始めた彼は、同時にインスタグラムアカウント@future__dustを作り、2018年からファッション業界のサステナビリティへの努力を記録することに取り組んでいる。彼はファッションを持続させる可能性とそれに伴う問題を我々にも理解しやすくしようと日夜活動しているのだ。そんな彼に現在の業界が抱える問題点を挙げてもらいながら、ファッションの未来について話を聞いてみた。
 
 

私たちは服が作られる
生産背景を知らなすぎる

まず業界の一番の問題点について聞くと「私たちが購入するモノの生産背景についてよく知らないことだと思います。つまりサプライチェーン(=供給連鎖)の問題です。ストリートブランドのTシャツを例に挙げても、素材である綿は世界のどこかで収穫され、別の場所に輸送されて糸が紡がれ、再び移動されて生地が織り込まれ、さらに別の場所でカットされ、最終的にブランドがプリントするという多くの過程を踏んでいる。非常に複雑で長いサプライチェーン(供給連鎖)があります。商品は消費者に届く前に世界中を旅しているのです」。好きなシャツがあっても、着るまでにどれだけの人の手元を通ってきたかは考えたことがないだろう。
 
しかし、このシステムのどこが問題なのか。リーチは具体的にこう語る。「多くの場合、これらのステップはさまざまな国で行われていますが、価格や単位、期限という点でサプライチェーンに多大なプレッシャーがかかり、製造者はそれに対応できず、最終的に下請け業者を使用している。誰もがサプライチェーンを絞り込み、低価格、納期の短縮を求めており、それは最終的には手を抜くことに繋がってしまうのです」。リーチはこの問題に関連して、3月にニューヨークタイムズで高級ファッションブランドへ刺繍の仕事を提供していたインドの隠れたサプライチェーンについて記事を公開。インドの労働者は少ない賃金の厳しい環境で働いていることを訴え、世界中で大きな反響を呼んだ。そしてこの問題を解決するためには次のようなことが大切であると提言している。「サプライチェーンへのプレッシャーを減らすためには、クリエイターが責任を持って様々なプロセスを透明性を持って公開することです。責任を持って生産するだけでなく、そのアイテムがどのように消費者たちの手にたどり着いたかを伝えることが大切なのです」。ファッションは楽しい。我々の気分を切り替えてくれるものであり、何も口にしなくてもメッセージを発信できる。だからこそこれからもファッションを楽しむために、地球の未来を考え、修正する必要がある。「消費者、政府、ブランドの3つが責任を持って行動することが重要。政府がブランドのサプライチェーンを規制すれば、ブランドは責任を持って生産します。ブランドが責任を持って生産すると、消費者は責任を持って消費することができます。ただ害を生むビジネスが無責任に運営しているのを止めることは簡単ではありません。私たちができるのは変化を要求すること、買い物の習慣を変えることです。全員が協力して取り組む必要があります。ファッション業界に意味のある変化をもたらすには、政府レベルで規制を設けることが必要なのです」。リーチの話す提言が少しでも具体化されれば、業界は大きな一歩を踏むことができるだろう。
 
 

私物のグッドイヤーウェルトブーツ。日常では耐久性の強い革のブーツや、ダービーやローファーを履いているという彼。劣化すると入れ替えられるソールを使用したシューズを履くことはサステナブルな行為として大切だ。

Photo Alec Leach

新鮮なものを常に要求するファッションから距離を置き、古着だけを買うと決意したリーチは、こうしたドイツ製のスーツなどをebayや古着専用のアプリで購入しているという。ゴミを増やさない意識で日々行動している。

Photo Alec Leach

 
 

スニーカーも伝統的な革靴と
同じように作られるべき

シューズに目を向ければ、持続可能性、つまりサステナビリティに関わる問題が起きている。「スニーカーは非常に複雑な構造のため、リサイクルするのは基本的に不可能ですが、私たちは毎週スポーツや音楽と同じようにスニーカーを消費し、購入するように文化的な訓練をされてしまっている状況にあります。つまり、スニーカーは使い捨てアイテムとなってしまっており、使用期限は1年から2年が当たり前になってしまっているのです。持続可能なものにするためには、さまざまなプロセスで問題を解決しなくてはなりません。革靴に目を向けてみても石油会社が生産している人造素材を使用したものは環境への影響は小さくありません」。そんなフットウェアが生み出す無駄を制限するために、リーチは耐久性の強い革の靴に目を向けている。「私は靴底を交換できるようにグッドイヤーウェルトのあるレザーシューズのみを履くようにしています。こうした靴は靴底が劣化した場合、交換して保管できるからです。スニーカーはすべてノリで接着されているのでソールを修理することは大変ですが、伝統的な革靴は、メンテナンスを中心に構築されたシステムがあり、長期間持続するように作られています。私はスニーカー業界が伝統的な革靴と同じように作られることを望んでいます。スタンスミスも交換できるようにウェルトされた底をつけるべきです」。革靴は長年履いて色んな所で傷やシミが付き、それを大切にし、手入れをすることで、一足との旅のストーリーを歩むことができる。行きすぎた大量消費の改善のため、伝統的手法へと立ち返る。リーチの提言は人間のあるべき姿を思い返させてくれる。

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