「私にとって写真は、もともと光画っていう言葉が使われていたように、目の前に存在する光を焼きつけるような光のペインティングという感覚がすごく大きい。私のフォトグラファーとしてのスタイルは、光をとても重要視しているのでこの価値観をとても大切にしています。その感覚はフィルムカメラの方がより感じることができるから、私は普段からフィルムを多く使用しているんです。撮っているときにバチンと自分の全身を使って焼いてる感じが良いんですよね。アナログだからこそできる実験性、あえて感光させたり、風景と人物を焼き付けてしまったり、自由自在なところがフィルムの魅力だと思います。中でもこのオリンパスのカメラはかれこれ7年ほど使い続け、これで30台目くらい。ハードに使うのですぐに壊れてしまうのですが、そのたびに買い直していますね。光を素直に透明度を高く描写してくれるのでとても気に入っています。他にもクリスタルを製作しているアーティストの方に、特注してカラークリスタルを作ってもらったり、虹の光をつくり出す機械を使ってみたり。太陽の光が一番美しいと思うので、その光を使って今までに見たことがないような光を生み出せるかに興味があります」。まず自分が楽しまなければ良い写真を撮れるはずがない。彼女のモットーであるこの言葉が、独創性のある作品を活写する原動力となっている。仕事とプライベートの境界線なくひたむきに、決して楽しむことを忘れずに写真と向き合うからこそ、写真そのものや光に対する溢れんばかりの探究心を突き詰めていくことができるのだ。
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タカコノエル フォトグラファー、ビジュアルアーティストとして国内外のファッション雑誌で活躍。プリントした自身の写真に絵の具や成果を使って装飾を施すなど、独創的かつ幻想的な世界観が魅力。 |
Photo Takako Noel | Text Shohei Kawamura |