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Places for the Senses これからの東京を担う
感性を刺激する場所

洋服屋やレコードショップ、飲食店から美術館まで、あらゆるジャンルの店や施設がひしめき合う東京。だからこそ考えて訪れる場所を選ばなければ、その空間で過ごす時間や経験が自分のためにならずに終わってしまうことも少なくない。そこでこの企画では、様々な情報や魅力的な場所をよく知る南貴之(クリエイティブディレクター)と村山圭(デザイナー/ディレクター)に厳選のスポットを紹介してもらう。彼らはどのような考えで訪れる場所を選ぶのか?そのアイディアを知ることは、これから東京に出かける時のヒントになるはずだ。

Places for the Senses これからの東京を担う
感性を刺激する場所

洋服屋やレコードショップ、飲食店から美術館まで、あらゆるジャンルの店や施設がひしめき合う東京。だからこそ考えて訪れる場所を選ばなければ、その空間で過ごす時間や経験が自分のためにならずに終わってしまうことも少なくない。そこでこの企画では、様々な情報や魅力的な場所をよく知る南貴之(クリエイティブディレクター)と村山圭(デザイナー/ディレクター)に厳選のスポットを紹介してもらう。彼らはどのような考えで訪れる場所を選ぶのか?そのアイディアを知ることは、これから東京に出かける時のヒントになるはずだ。

Curator’s Cube

Selected by Takayuki Minami

取材時に展示されていたのは、長野在住の渡辺遼による作品。鉄のプレートを組み合わせ一見重そうに見える外観だが、中は空洞になっている。中には砂や重りを入れてバランスを取り、持ち上げると予想を裏切る感触がある。「作品に関して言葉で説明することはしない」という同ギャラリーの考えのもと、説明のテキストは一切なく、純粋に作品と個人が向き合う展示方法が一貫して行われている。

 

レギュレーションに縛られない
東京的な視点のあるギャラリー

「キュレーターズキューブでは、国内だけでなく海外の作家まで幅広く、独特の目線で面白い展示がいつも行われています。タイムレスな花器のデザインが魅力的なカリーナ・セス・アンダーソンや、以前Silver Magazineでも取り上げた新進気鋭のガラス作家の高橋漠など、重鎮から若手まで関係なく展示されるんです。時代の文脈を超えたものにこそ注目すべきですし、このギャラリーはまさにそのような作家をいつもフォーカスしています。それだけではなく、機能に重きを置いたクラフトと、機能を失った表現としてのアートという2つのジャンルの間を泳いでいる作家を、レギュレーションに縛られずにピックアップするギャラリーはそうそうないと思います。制作方法に関しては後回しで、純粋にかっこいいと思える作品を取り上げていることが素敵ですし、そういう視点は東京らしいのかなと思います。こういう価値観こそアーティストや作家が育つ土壌となりますし、どんどんこのような場所が増えていってほしいと思います。そもそも東京の人は編集能力がすごく優れていると思うんです。世界的に見ても、独特な目線でモノゴトに注目していると思います。つまりはレギュレーションに縛られないということで、そういう考え方のお店や場所が増えるともっと面白い街になっていくと思います」。
 
Curator’s Cube
東京都港区西新橋2-17-1 八雲ビル3F 03-6721-5255
次回予定企画
作家 ジョージ・ピーターソン
会期 2021年7月24日(土)~8月8日(日)
 
curatorscube.com
 


 

Grape Gumbo

Selected by Takayuki Minami

店内には所狭しとワインが陳列されている。棚上に設置されたクリプシュのスピーカーからは、営業時間は常に店主セレクトの音楽が鳴っている。中央部分に飾られているのは仁科さんのビジネスパートナーでもあった今は亡き勝山晋作さんの写真

店内の壁にはロックバンドのジャケットやヴィンテージのフライヤーなどが数多く貼られている。店内の什器は店主自らDIYで作っているもので、どこか温もりを感じる。

この日店内でかけられていたのは、イギリスのサイケデリックロックバンド、Humble PieのThunder box。その日の気分でレコード1枚とワイン1本をセレクトしInstagramにアップしている。

 

東京という街の中で
広がっていく独自の系譜

「富ヶ谷の大通り沿いにひっそりとお店を構えるワインショップが、グレープガンボです。地域密着型の身近なお店でありたいという店主の仁科さんの言葉通り、とにかく近隣の人たちに愛されているお店で、数多くのお客さんがワインを買いに来ます。価格も千円台から豊富な種類があって、みんなデイリーなワインを求めて店に来ているんです。飲食業界ではかなり有名な勝山晋作さんという方がオーナーを務めた祥瑞(しょんずい)という六本木にあるビストロの名店があり、仁科さんはそこの出身。勝山さん自身が音楽とお酒と食べ物のトータル感を大切にしている人で、グレープガンボはそのアイデンティティを色濃く受け継いでいます。ただここはビストロやバーという営業形態ではなくあくまでワインショップ。できるのは試飲のみですが、常に音楽好きな店主の渋いセレクトでレコードをかけていて、ワインを買いに来たついでによく音楽の話で盛り上がっています。ワインに対してのうんちくやこだわりに関してほとんど言ってこないところも好きなところかもしれません。でもこっちから聞いたことにはちゃんと返してくれる。『ワインのうんちくを垂れるのは好きじゃない。うまきゃいいんだよ。いい音楽といい空間と、誰と飲むかが1番大事』というセリフにグレープガンボのすべてが集約されている気がします。もともとマルディグラという銀座にあるビストロのオーナーから紹介してもらったのがこのお店を知るきっかけだったのですが、そこも祥瑞の系譜。東京という街の中で独自のコミュニティがどんどんと派生して行っている感じがすごく面白くて、これからの可能性を感じるんです」。
 
Grape Gumbo
東京都渋谷区富ヶ谷 1-31-9 山手ホームズ 101
営業時間 火-土 15:00 – 23:00 日 14:00 – 21:00
定休日 月・祝 03-6407-9931
 


 

wineshop flow

Selected by Takayuki Minami

木を基調とした落ち着いた雰囲気や、フロウを象徴するような丸いウォークインセラー。設計を行なったのは、近所のパドラーズコーヒーや目黒のレストランKabiの店舗設計も手掛けたマイルストーンの長田篤。

フロウで定期的にポップアップショップを開いて販売されるアイスクリームは、ナチュラルな製法とハーブやスパイスの風味が特徴的なアイスクリームメーカーのkasikiによるもの。

 

お酒と音楽が生み出す
人と人とのコミュニケーション

「フロウには友人との時間を楽しみたい時によく行きます。角打ちスタイルなのが気楽ですし、モニターオーディオ社のスピーカーをはじめとした音響機材が、心地の良い音楽を響かせて会話を弾ませてもくれます。家具や照明は福岡のヴィンテージショップクランクマルチェロのものを使っていて、それだけでもとても見応えがありますね。オーナーの深川さんは現役の音楽家で、KENKOUの名義でアンビエントを中心とした作曲をされているんです。彼はナチュラルワインバーの聖地と呼ばれた六本木のビストロ祥瑞の出身で、そこでの経験がフロウの店づくりに受け継がれているのだと思います。でもこの店に行く一番の理由は、オーナーの幅広い人脈や店の噂を聞きつけてくる人たちが集まってくる交流の場となっていることかもしれません。老若男女問わずおもしろいクリエイターたちがよく集まってきていて、どこかサブカルっぽさの漂うフロウ独特のコミュニティが生まれているんです。だから、そういう人たちとの新たな出会いも求めて1人でもよく行っています。一杯のワインを通じてコミュニケーションが生まれる空間作りが、様々なジャンルの人がいる東京という街に相応しいのではないでしょうか」。
 
wineshop flow
東京都渋谷区西原2-28-3 クローバービルB1
営業時間 月-金 15:00 – 24:00 土 15:00 – 22:00 日・祝 15:00 – 20:00
定休日 不定休
03-6804-7341
 
 
 

Select Takayuki Minami Photo Yu Inohara
Riku Ikeya
Text & Edit Shohei Kawamura
Yutaro Okamoto

 

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