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Photographer Kiyotaka Hamamura’s First Exhibition “Mars” 写真家 濱村健誉が自身初となる個展“Mars”を開催

Photographer Kiyotaka Hamamura’s First Exhibition “Mars” 写真家 濱村健誉が自身初となる個展“Mars”を開催

The dry land”Earth” 

 
Silver Magazineでも数々のインパクトあるファッションビジュアルを撮影している濱村健誉。中判デジタルを愛用し、立体感のあるストレートで力強い写真が魅力的なフォトグラファーだ。文化服装学院にてファッションを学んでいた時に写真に目覚め、卒業後はロンドンへ渡英してドキュメンタリー撮影を中心に活動。その後は渡米し、ロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンを始めとした写真の権威たちによって設立されたMagnum Photosでインターンを行うという貴重な経験を積んでいる。ファッションと写真に関する深い知識と経験を合わせ持った実力派として注目される存在だ。
 
そんな濱村が4月20日(火)より池尻のIID Gallery 世田谷ものづくり学校にて自身初となる個展を開催する。テーマは「Mars(火星)」。壮大なテーマだからこそ、彼の写真によってどう表現されるのかと期待が高まる。個展開催を目前にしている濱村にその思いを聞いた。

Opened the window of the ship 

 
 

ー「Mars」をテーマに写真展を行おうと思った経緯を教えてください。

 
このテーマは、米軍基地に行ったことからアイデアが生まれたんです。米軍基地の中はもはや日本ではなくアメリカそのもののようで。そこにあるレストランや学校はもちろん、プールや映画館までアメリカンな造りなんです。そうやって他国の土地に自国の文化を形成するバイタリティを見ていると、きっと人間は他の星に行ったとしても同じことをするんだろうなと思ったんです。そんな想像がきっかけで、5年前からMarsプロジェクトは始動しました。

Divide the waters from waters

 
 

ー展示される写真には、砂地や飛行機の中、赤い光、クリアボックスに入っている花と土などが写っていました。これらは「Mars」というテーマから連想して撮り集めたのですか?

 
ほとんどが「Mars」というテーマのもとで撮り進めた写真です。僕は普段カメラを持ち歩かなくて。作品のテーマやコンセプトを常に考えつつ、固まったら撮り進めていく流れです。まずはイメージボードのように撮りたい対象を時間をかけて作り上げます。そのイメージを目指して撮影していく過程で、意図していなかった写真が必ず出てくる。そんな写真を採用していくようにしています。
 
 

ー写真との向き合い方として、今回のような作品作りとファッション撮影では変わるものですか?

 
「仕事も作品もスタンスは変わらない」と言う人がいますが、僕にとっては全く異なります。ファッション写真はチームで作り上げていくものであって、個人の作品発表の場となってはいけない。チームで一つの神輿を担がなければ、強度のあるファッション写真は決して生まれないと思っています。でも個人の作品に関しては、僕自身が一番見たいものを自分だけのジャッジで判断して撮っていきます。仕事と違って締め切りがないので、良くも悪くも1人で悩み続けなければならない。だから、僕にとって作品を撮っている時が一番辛いし、楽しくもない。自分が今好きなものをただ撮っても仕方ないので、何を見たいのか?そしてその先を時代を考慮しながら考える作業でもあるのです。

River 

 
 

ー展示会場として「IID Gallery 世田谷ものづくり学校」を選んだことに何か理由があるのでしょうか?

 
もう何年も前ですが、写真を始めた20歳位の頃に友人が働いていて、よく来る場所でした。僕にとっての初めての個展でもあるので、思い入れのあるこの場所で開催したいというのが一番の理由ですね。コロナ禍ということもあるので、もともと小学校の図書室でもあったこの空間だと広くて余裕があり理想的でした。

The tree of life

 
 

ー本展でしか体験できないことや、作品を通して伝えたいメッセージを教えてください。

 
当初は写真集として一冊を通して見たときに世界観が伝わるように撮影していました。しかし撮り進めていく中でコンセプトが明確になっていき、一枚一枚に重みが出てきてのです。だからこれらの写真は展示した方がいいなと。また、SNSではなく展示としてダイレクトに写真を見てもらうことで、見た人が感じたことや考えたことを直接聞いて会話ができればと思っています。
僕はずっとドキュメンタリーを撮ってきたのですが、「なぜ今の時代に生まれてしまったのだろう」と思っていた時期がありました。「目の前にあるものは過去の成り立ちから生まれたものばかりでつまらない。結果ではなく過程を撮りたい」、と。でも今は時代が大きく動き出していて、新たな何かに向かう過程が始まったと感じています。今回の展示は、今起こっている過程と、少し先の結果を僕なりに切り取った作品が集まっています。そういう意味では今までに見たことのないドキュメンタリーだと思うので、是非ご覧いただければ幸いです。
 
「Mars」
会期:2021年4月20日(火)~4月25日(日)
時間:11:00 – 18:00 (予約不要)
※最終日は17:00終了。
※会期中は作家は常に在廊。
 
会場:IID Gallery
〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-4-5
IID Gallery 世田谷ものづくり学校
 
 
濱村健誉
1986年山口県下関生まれ。専門学校にてファッションを学んだのち、写真家として20歳でロンドンへ渡英。ドキュメンタリーを中心に撮影し、その後ニューヨークへ渡米してMagnum Photosでインターンを経験。現在は東京をベースに様々な雑誌や広告にて活躍。
 
 
 

Interview Takayasu Yamada Text Yutaro Okamoto

 

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