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FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS
“The truth is out there”

FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS
“The truth is out there”

FPAR初のアート展が開催

90年代から活動を始め、ストリートの象徴でもあるTシャツを中心としたアパレルをキャンバスにスローガンやメッセージを発信してきたFORTY PERCENT AGAINST RIGHTS(FPAR)。今回はじめてその表現の舞台をギャラリーに変え、様々な表現方法で発信する試みを行った。常にメッセージを発信してきたFPARの新たな挑戦には、この時代に対する新しいメッセージが込められているはずだ。FPARの主宰者・デザイナー西山徹に話を聞いてきた。

1.“ NO WAY WE ARE GOING TO LOSE.”のスローガンを砲金(青銅鋳物)で制作したレリーフ。雨風に晒されながらビルや橋の欄干に埋め込まれている銘板にインスピレーションを得た作品。日本語に翻訳すると「負ける気がしねぇ」。自らを奮い立たせるスローガン。


2.“ KNOW YOUR ENEMY”の意味するところは「自分の敵は他でもない自分である」というFPARを代表するメッセージ。油性マットインク使用、シルクスクリーンポスター。

3.我々の抱える矛盾や人間の業を問うメッセージ。原点であるTシャツをモチーフにしたパッチワーク作品。

 
 

― FPARはタイポグラフィのメッセージをTシャツや洋服の中で表現されてきましたが、アートエキシビジョンで展示として見せようと思ったのはどんなキッカケからですか?

 
渡辺さん(DAYZクリエイティブディレクター・BEDWIN & THE HEARTBREKERS 代表)とDAYZで何かを一緒にできないかという話から始まり、でもコラボレーションでモノを作るとか、そういうことではない何かを考えた結果が今回行ったインスタレーションやアートワークの展示ということでした。
 
 

― 普段と違う見せ方をすることに対して、どんな感覚でしたか?

 
今回はFPARというブランドがDAYZというショップのプロデュースを経て行う展覧会だったので、個人名義として制作したアートワークではなく、私がディレクションするFPARというフィルターがかかったものだったので、基本的には普段とあまり変わない感覚で制作できました。ただアパレルという制限がなくなったから、立体的なものを作ってもよかったし、表現の自由度が増したことは新鮮でした。なので普段では使用しないマテリアルを使って制作したので、とても楽しみながら制作することができました。
 
 

― NO WAY WE ARE GOING TO LOSEの作品はスチールですか?

 
あのレリーフの作品は砲金(青銅鋳物)で制作したものです。時が経っても変わらないような素材で表現してみたくて、鉄道や国の道路、学校の表札などにも使われている素材です。そのような普段使うことのない素材を使用してできるアートワークは過去にはなかったし、スローガンを伝達する媒体としても意味がでて面白いと思います。展覧会全体としては、現代の現状を示唆した背景があります。FPARがああいった場所で展覧会を行うならどんなテーマや表現が良いのかを考えて様々な形に落とし込んでいきました。タイトルは“The truth is out there”「真実はそこにある」として、今この現状を表すような、例えばマスクを 使った作品もあったりと、まさに今に対したものでした。
 
“NO WAY WE ARE GOING TO LOSE”「負ける気がしねえ」もこれまでも使ってきたスローガンですが、この現状にもとても当てはまっています。今回展覧会ということで、いつものTシャツとは違ったマテリアルの銘板を使用したことで、たとえそれが錆びついても変わらない気持ち、という表現が重なるんです。あとは“I AM AN ENEMY OF FANTASY”に関しても鏡を使うということで、鏡に映り込んだ自分自身が敵であるということ。これまでTシャツでは表現できなかったこともマテリアルを変えることで、より直接的にわかりやすくなったのかなと思っています。
 
 

― 洋服で表現されている作品も印象的でした。今回のエキシビションでもあえて洋服で何かを表現するというのはどんな考え方からでしたか?

 
もともとはファッションのブランドでもあるわけだし、洋服という象徴であるアイテムもあった方がいいと思いました。92、93年頃にDIYから始まったFPARでしたので原点的なものを制作し展示することに意味があります。しかもそれを渋谷というロケーションで展示開催するとことは自分たちにとっても意味のあることだと思いました。
そしてTシャツの作品は、再生利用ということもテーマにしています。ユーズドを使用しTシャツの端切れを縫い合わせ、プリントや刺繍を施したリメイクの作品です。今後自分たちは今の情勢と向き合いどんなアクションを起こしてゆくのかということを具体的にした作品になります。まずは自分の立場でできることをやっていきたいですね。
 
 

― 今回エキシビジョンをやってみて改めて感想を聞かせてください

 
最初に話したように、洋服は自己表現として着ることができます。かたやアートピースというのは、所有しコレクションになっていくもの。着ることこそできませんが、洋服というチャンネルだけでやっていたことを、また違うチャンネルを持って創作できそうだなという肌感はありました。今回はアートショーということだったので、これまで通り抽象的に説明することもなく展示できたのですが、このような情勢の中で行うことは意味のあるタイミングだと思い、これまでしてこなかった制作の意図、作品の意味を伝えることにしました。それらは着ることこそできませんが、作品の意味を知り、共感を持って側に置いておきたいと思ってもらうことは元来のあり方だと思うんです。自分たちのような美術や芸術のアカデミックとは異なる畑から今回のような展覧会を行ってゆくことは、これまでとは異なったアプローチともなってゆきます。今後はそういった発表の仕方も形になっていったら良いなと思っています。西山がFPARを通じて発信してきたメッセージやスローガン。そのメッセージを自らが着て自らを奮い立たせるように過ごしてきたファンたちも多いだろう。ファッション業界の中にもファンが多いFPARは、ただのファッションブランドに留まらない「人の気持ちを動かす何か」が魅力的だ。この展覧会により広がった西山徹とFPARの表現。この先、我々の心や生活の断片に何を響かせてくれるのだろうか。これからも西山徹とFPARの活動に世界中の視線が注がれるだろう。90年代より続くストリートのピュアマインドは、これからどう進化していくのだろうか。アートかファッションか。もはやそのカテゴライズは必要ないと、この展覧会が伝えていた。

幻想は現実とは程遠く、コロナ禍に直面した自分の姿が鏡に映っているというメッセージ。油性光沢インク使用、シルクスクリーンミラー。

FPARのアーカイブとヴィンテージのタイダイTシャツを裁断し、ブリーチ加工とスクリーンプリントを施したCustom Guerrillaコレクションよりスタジオメイドの24作品。


 
FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS
“The truth is out there” Produced by DAYZ PRIVATE VIEW
Nov13-29 at SAI Gallery(展覧会は終了しています)
 
DAYZ ARCHIVES dayzarchives.com
 
 
 

Photo Takaki Iwata (Portrait) Tomohiko Tagawa (Exhibition) Interview & Text Takuya Chiba

 

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