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ART & CRAFTS Black Pottery
NAOTSUGU YOSHIDA

ART & CRAFTS Black Pottery
NAOTSUGU YOSHIDA

Vase Width 300mm Height 225mm Diameter 155mm
人間味溢れる、繊細で深い黒

日本の工芸・民藝に深い愛情と造詣を持ち、ファッションとクラフト、アートを繋ぐクリエイティブディレクター、南貴之。本誌連載も11回目を迎え、より生活に寄り添う作品を作る作家たちに目を向けていく。今回は陶芸家、吉田直嗣の「黒」の作品たちの魅力をお伝えする。
 
「吉田さんの作る黒が好きで。彼の作る黒は何か違うんですよね。僕は黒い器なら吉田さんと思っています」、と南は話す。陶芸家、吉田直嗣は富士山の麓にアトリエを構え、白と黒の器を中心に作品を発表し続けている。アトリエもモダンかつ自然と調和するとてもスタイリッシュな雰囲気で、彼の美学を感じさせてくれる。
 
「吉田さんの作る黒は深くてオーラがあると感じていたのですが、ご本人に聞くとどうやら焼き方に特徴があるようで。釉薬の色というより、しっかり焼き締めをやって黒を生み出している。彼ならではの黒の生み出し方みたいで、僕はとにかくその深い黒に惹かれていきました。黒の陶器って食卓に並ぶとカッコいいんですよね。いい黒の食器は食べ物の色彩も鮮やかにひき立って本当に美味しそうに見えます。もちろん白も彼の代表的な作品なのですが、グラフペーパーではいつも黒を作ってもらっています。黒の器をこんなにカッコよく作れる人っていないと思うんですよ。黒のシンプルな陶器というのは、シンプルなだけに難しいはずなんです。形、クオリティと黒の質感だけでの勝負ですから。やはり、たまに茶色に転んだりすることもあるみたいで、黒をコントロールするのは実際難しいと本人もおっしゃっていました。量産的な黒のシンプルな陶器や磁器というのは、世の中にいっぱいありますし、それこそどこにだって売っているものです。でも、黒のシンプルなカッコいい陶器を探すとなかなかないんですよ。シャープで有機的で人間味があって、モダンな佇まいというのは。彼の師匠は白の作品が代表的なので、それとは違う自分のスタイルを模索して行き着いた吉田さんの黒だと思うのですが、長い時間をかけて作られた彼だけの黒なんだと感じます。鉄釉という特に珍しくもない釉薬で作るみたいなんですけど、やっぱり何か違うんです。繊細で美しいのに、人が作った暖かさや野性的な部分がある。吉田さんの人間性が感じられるんですよ。穏やかで柔らかい人なのに、内に秘めているパッションや信念が強くて。器に人が出ていますね。とにかく素敵な器です」。

Clockwise from top Rim Bowl Width 135mm Height 45mm Small Bowl Width 85mm Height 40mm Small Plate Width 80mm Height 15mm Cake Plate Width 160mm Height 15m

 
 
吉田直嗣
陶芸家黒田泰蔵に師事し、独立後は富士山の麓へ築窯する。シンプルなデザインながらも、表情豊かな白と黒の陶磁器作りを行っている。人柄溢れるその作品は多くの注目を集めている。
 
南貴之
クリエイティブディレクターとして様々な層から支持を受け、グラフペーパーやヒビヤセントラルマーケットなどのディレクションを行う。自ら吉田氏に会いに行ったほど、今回の黒の作品に惹かれていると話す。
 
 
 

Select Takayuki Minami Photo Masayuki Nakaya Interview & Text Takuya Chiba

 

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