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ART Arsham × Sorayama

ART Arsham × Sorayama

Daniel Arsham / Hajime Sorayama

“Arsham × Sorayama”, 2019,Sculptual Works NANZUKA 2G

 
 

時間を超えた作風の
2人によるコラボレーションワーク

11月22日、渋谷にパルコが戻ってきた。その2階にオープンしたギャラリー兼セレクトショップの“2G”に入るのは、アートギャラリー“NANZUKA 2G”。このギャラリーのコンセプトは、コラボレーションだと同ギャラリー代表の南塚真史は言う。アーティスト同士のコラボレーションから、作品をファッションアイテムやメディコムトイとのグッズに落とし込んだコラボレーションが2Gの展開の特徴である。今回こけら落としに選ばれたのは、NYを拠点に活躍するダニエル・アーシャムと、セクシーロボットシリーズで知られる空山基のコラボレーション展だ。両者とも、それぞれが近年のディオール メンズコレクションでコラボレーションをするほか、これまでもファッションシーンでも繋がりのあるアーティストとして知られている。そんな2人のコラボレーションともあり、アートファンのみならずファッション好きの層からも注目を集めた展示となった。一方で、旧来のアートのファンからするとアーティストがファッションと繋がることをタブーと思う人物も少なくない。「アートが消費の対象になっては駄目なことは事実です。元来アートは、時間軸の長い価値に基づくものです。しかし、現代は情報のスピードが速くなり、SNSなどで世界中で制作されている作品をLIVEで、すぐに見ることが出来る時代です。今後は、アンディ・ウォーホルが既に半世紀以上も前に示しているように、あるいはKAWSの成功が物語っているように、情報戦に強いアーティストの価値がますます高まる傾向にあると思います」と南塚は話す。
 
 
日本ではアートは売れない、と言われてから随分と時間が経つが、「高尚」という呪縛に囚われて、アートにおけるプロモーションの重要性を無視してきた結果もその理由の1つであるだろう。確かに、ファッションとのコラボレーションは、感性豊かな新たな層にアートの魅力を感じてもらうには最適な方法といえる。今回の作品は、ダニエルと空山の両者がギャラリーNANZUKAの所属アーティストだ。ダニエルがNANZUKAで個展を開いた際に空山と会ったことがきっかけとなった。空山もダニエルの作品を理解し、その場でコラボレーションのアイデアが出た。お互いがアイディアを出し合い、形になったのが今回の作品だ。「完成までに2年程かかった作品です。空山がダニエルの作品を基にしたペインティングを描き、その原画を元に立体の造形をおこしました。日本とアメリカを往復して、最終的に日本の技術を結集して完成させています。平面上では空想の産物だったイメージを実際に造形化した点が、今回の作品の魅力の一つです」。両者の作風を知っている人ならばすぐに理解出来るはずだが、ロボットの腕が空山。白く風化した石膏像のような腕がダニエルとなっている。空山は女性の腕で、ダニエルは男性の腕。時間を超えた作品を表現している両者が手を繋ぐという、まさにコラボレーションをコンセプトとするギャラリーのこけら落としに相応しい作品に仕上がっている。これからもアートに新たな風を吹き込ませていくだろうこの2人の作家と、ギャラリー“NANZUKA 2G”に期待したい。

 
 

ダニエル・アーシャム

1980年アメリカ・オハイオ州生まれ。ニューヨークを拠点とし、“フィクションとしての考古学”をコンセプトに立体作品やペインティング、インスタレーションなど幅広い表現を持つ。
 

ソラヤマ ハジメ

1947年愛媛県・今治市出身。代表作“セクシーロボット”や犬型ロボット“AIBO”のコンセプトデザイン、ディオール メンズ 2019 プレフォールでのコラボレーションなどで知られる。
 
 
 

Photo Hidetoshi Narita
Edit Takayasu Yamada

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